【外勤中だったら】
営業で外回り中、高層ビル街で大地震にあったら?ガラスの脅威と命を守る行動
煌びやかなガラス張りのビルほど、実は「凶器」になる
商談先へ向かう道すがら、ガラス張りの高層ビルが立ち並ぶオフィス街は見た目には洗練されていて安心感すらあります。
しかし大地震が起きた瞬間、その外観こそが最大の脅威に変わります。
外回り中は「机の下」も「デルタゾーン」もありません。頼れるのは自分の判断だけです。ここでは、ビル街を歩いているときに命を守るために知っておきたいことをまとめます。
窓ガラスの脅威:どれくらいの距離まで飛んでくるのか
先に、数字の話を整理しておきます。ネットや書籍では「建物の高さの半分の範囲に破片が飛び散る」「高さの1/10の距離をリバウンドする」といった説明も見かけますが、この数値の出どころははっきりしません。
一方、東京消防庁が示している目安ははっきりしています。
オフィスビルの窓ガラスが割れて落下すると、時速40〜60kmで、建物の高さの1.5倍くらいの距離まで広範囲に拡散する
つまり、高さ100mのビルなら、150m離れていても油断できないということです。しかも自由落下ではなく風を受けながら斜めに飛ぶため、「真下を避ければ大丈夫」という考えは通用しません。
ガラス以外にも落ちてくるもの
外壁のタイル・パネル
看板・ネオンサイン・室外機カバー
屋上の設備、足場(工事中のビル)
繁華街ではオフィス街よりも看板やネオンサインの数が多く、落下・転倒物のリスクがさらに上がります。
揺れを感じた瞬間、ビル街でとるべき行動
1. かばんなどで頭を守る
とっさに使える鞄やコートを頭上にかざし、ガラス片・タイルから頭部を守ります。
2. 「ビルの真下」からできるだけ離れる
反射的に建物の壁に張り付いて避難したくなりますが、これは逆効果です。壁際・軒下・アーケードの下は、落下物の直撃を最も受けやすい場所です。
道路の中央寄り(車道に注意しつつ)や、公園・広場など開けた場所を目指す
近くに頑丈な建物の中(地下街の入口、耐震性の高いビルのロビーなど)があれば、揺れが収まってから中に入るのも有効
ブロック塀、自動販売機、電柱の近くも避ける
3. その場で動けないときは、しゃがんで頭を守る
建物と建物の間の狭い道路にいる場合など、安全な場所まで移動する時間がないときは、無理に走らず、その場でかばんを頭上にかざしてしゃがみます。走って移動する方が転倒・追突のリスクが高いためです。
揺れが収まった直後に確認すること
足元の安全確認:ガラス片、陥没、マンホールの浮き上がり(液状化)がないか
頭上の安全確認:まだ落下していない破損した看板やガラスがないか。安全な場所まで大きく回り込む
信号・電線の確認:信号機が停止している交差点は、車の動きが読めないため特に注意。垂れ下がった電線には絶対に触れない
エレベーター・地下街を使わない:閉じ込めのリスクがあるため、階段や地上を優先
外出中に命にかかわるその他の危険
オフィスにいるとき以上に、外出中は「自分でコントロールできない周囲の状況」に命を左右されます。特に注意したいものを挙げます。
群集雪崩(将棋倒し):ターミナル駅や地下街で人が一斉に出口へ殺到すると、将棋倒しで圧死・窒息のリスクがあります。流れに逆らわず、壁際に寄って人の波をやり過ごす判断も必要です。
液状化による道路陥没・マンホールの浮上:埋立地や河川沿いのエリアでは、地面が急に沈んだり、マンホールが飛び出したりすることがあります。
ブロック塀・自動販売機の転倒:古いブロック塀は倒壊事例が多く、近づかないことが基本です。
火災の延焼:木造住宅密集地域に近づく場合、地震直後の出火・延焼に注意します。
交通事故:信号機の停止により、交差点での車の動きが不規則になります。横断中は特に周囲を確認します。
エレベーター・エスカレーターの停止:地下街や駅ビルでは、閉じ込め事故を避けるため使用しないことが原則です。
まとめ:外回り中の判断基準
建物の壁際・軒下から離れる(ガラス・看板の落下範囲は建物の高さの1.5倍が目安)
走らず、しゃがんで頭を守る(無理に移動しようとして転倒・接触事故を起こさない)
揺れが収まっても、頭上と足元を確認してから動く
人が密集する場所(駅・地下街)では流れに逆らわない
オフィス内の防災とは違い、外回り中は「その場に何があるか」が読めないのが最大の難しさです。だからこそ、日頃から取引先までのルート上に「開けた場所」「頑丈な建物」がどこにあるかを意識しておくと、いざというときの判断が速くなります。