天井内設備例
天井
空調の吹き出しと点検口
オフィスの天井、見えないところに何がある?
はじめに
天井なんて落ちるの?
それもそのはず。天井の中なんて今まで見たことがないのですから当たり前です。都心部では、近年『震度6』以上の経験がありません。
なので、どうなるかわかりません。
私は、恐怖を煽ったり、驚かせたりしたいわけではなく、わかる範囲で危険を可視化して、皆さんに伝えたいのです。
天井の裏側には、たくさんの設備が隠れている
私たちが日頃気にもしていないオフィスの天井
実はその裏側には、照明・空調機・空調ダクト・スプリンクラー配管、衛生配管などさまざまな設備が設置されています。
これらは天井スラブ(コンクリートの床板)に固定された「全ねじ」と呼ばれる長いボルトで吊り下げられて、
天井ボードがその様子を覆い隠しているため、普段私たちは、見ることができません。
つまりオフィスの天井は、単なる「板」ではなく、設備ごと宙づりになっている構造物なのです。
3.11で実際に起きた天井崩落
2011年の東日本大震災では、この「見えない天井」の弱さが各地で露呈しました。
◆茨城空港:ターミナルビルの吊り天井が崩落し、空港が3月13日まで閉鎖されました。
◆花巻空港:同じく吊り天井が崩落し、3月16日まで閉鎖されました。
その他、悲惨な事故が多数起こっています。
これらは体育館やホール、空港ターミナルのような大空間で起きた事故ですが、
「天井は設備ごと吊り下げられていて、崩落すると重大な被害につながる」という構造上の弱点は、
規模の大小にかかわらずオフィスの天井にも共通しています。
こうした被害を受けて、国は2014年(平成26年)4月1日から「特定天井」という区分を新設し、
高さ・面積の大きい天井には脱落防止の構造基準を義務付けました。
ただし、この基準の対象は主に体育館やホールのような大空間で、一般的なオフィスの天井は対象外であることが多いのが実情です。
オフィスの天井の「中身」は、どうすれば分かるのか
厄介なのは、オフィスの天井は一見しただけではどこに何が吊られているのか分からないことです。
照明の位置は分かっても、その裏にあるダクトや配管の重み、固定の強さまではわかりません。
ここで手がかりになるのが「天井点検口」です。
点検口は、天井裏の設備(空調・配線・配管など)をメンテナンスするために設置されている小さな開口部で、
天井を見上げると四角いパネルとして見つけられます。この点検口があるということは、その真上・その周辺の天井裏には、
メンテナンスが必要な何らかの設備が隠れているという証拠でもあります。
つまり、天井点検口は「ここの天井裏には設備がありますよ」という数少ない目印なのです。
会議室や自席の天井を見上げて、点検口がどこにあるかを日頃確認しておく
点検口の真下や周辺の座席・通路は、「設備が吊られている場所の下」であることを意識しておく
特に多くの点検口(複数枚並んでいる、サイズが大きい)がある場所は、その上に比較的大きな設備がある可能性を考える。
※トイレには、シロッコ式の排風機、廊下には、水道、衛生配管、空調用の冷温水用配管等が設置されている場合があります。
配管の中に水が充填されれば、かなりの重量物ということになります。
これだけで、「オフィスの天井のどこに注意すべきか」を、日常の中で無理なく把握できるようになります。
揺れを感じたときの行動
点検口の真下や周辺にいる場合は、その場から少し離れる(可能であれば、点検口のない天井の下、あるいは机の下へ)
天井全体ではなく「設備が吊られている場所」を意識して距離をとるという発想を持つ
揺れが収まった後も、天井にたわみ・ずれ・落下物による穴、水濡れなどを確認した場合は、近づかない措置をとる
まとめ
・オフィスの天井裏には、全ねじで吊られた照明・空調・配管などの設備が隠れている。
・3.11では茨城空港・花巻空港など、天井崩落による重大な被害が実際に発生した。
・オフィスの天井は「特定天井」の法規制対象外であることが多い。
・天井点検口は、天井裏に設備がある場所を知るための数少ない手がかりになる。
・日頃から自席や会議室の点検口の位置を確認しておくことが、とっさの時の好判断につながる。
平時である今できること
普段は気にも留めない天井ですが、「点検口の上には設備がある」と知っておくだけで、オフィスの中での注意すべき場所が具体的に見えてきます。
※システム天井の場合は、点検口がなく、簡単に天井ボードが開くため、総務部門や管理会社に調査を実施してもらうことをご検討ください。